
東京電機大学 Voice synthesis Character Lab.部
(旧VOCALOID同好会)
電歌祭 BLOG
~背景映像班編~
ブログを見ているみなさまこんにちはー。背景映像班班長のKoh.です。
最近とても寒いかと思いきや一気にあつあつになったりして寒暖差にぶん殴られる残暑になっていますね。残暑も過ぎ去りそうで秋が近づいてきた今日この頃、我々ボカ研は電歌祭に向けてたくさん動いていました。
ここでは、その電歌祭に携わる仕事の中でも、背景映像班のお仕事の流れを班長の私からちょこっと語りたいと思います。
ではまず初めに。背景映像班ってなに?ということから話していきます。その名の通り背景の映像ということで、ライブを形作るコンテンツの中でも、背景の壁面にどどーんと映し出す映像の制作しているのがこの班になります。ひと際目を引くこの映像を制作することで、よりライブをより良くして盛り上げるのがお仕事です。
お次は背景映像班の具体的な仕事内容について。電歌祭の流れに沿ってまとめてみたいと思います(私の場合)。
1. 曲決定
ライブのセトリが決定したら、背景映像班に立候補してくださった方々の中で、誰がどの曲を担当するかを決定しました。立候補制で名前を記入してもらって、やりたい曲がかぶったら曲の構想や自分のアツい想いをプレゼンしていただいて、最終的にこちらで割り振りました。
2. 制作 – 1「構想ねりねり」
さあ自分の担当曲も決まったし、さっそくソフト立ち上げてがしがし映像つくるぞー^^ …としたいところですが、これをしてしまうのはよろしくない気がしています。何事も計画が大事ですので、当然背景映像制作においても計画をしていきます。
まずは、担当する曲の雰囲気をつかんだり、歌詞や本家映像の中に込められた意味をくみ取ったり(考察的な)して、曲に対する解像度を少しずつ上げていきます。その曲と印象が全く違う映像を作ってしまったら解釈不一致を起こす人が続出してしまいますからね。
そのようにして曲への理解を深めた後は、絵コンテを書きます。絵コンテとは大まかな映像の演出(ここはこういう動きをさせる、ここにこうやって文字を表示させるなど)を落書き程度で記述するものです。絵コンテを描く際の発想ですが、世の中には映像作品がたくさんあります。その無数の映像作品をリファレンスとし、こういう演出を自分の作品でも取り込もう、と考えることもあります。作品を作るにあたって、インプットはとても大事です。
この段階で、制作したい動画の雰囲気であったり、イラスト依頼の必要性やその他素材などのリソース、この編集を施すのが合いそう…とか、より制作の具体性が増してきます。
制作 – 2「素材集めが一番大事」
具体性が増してきたら、次は映像制作に使用したいイラストなどの素材を集めます。今回私は、リンレンのイラストをイラスト班の方に依頼し、その他の素材(看板・フェンス・有刺鉄線など)は自分で用意しました。
イラストに関して、今回はイラスト班のましろさんに依頼しました。依頼するにあたって、こちらから欲しいイラストの概要を資料でまとめて提示しました。リンレンを描いていただくにあたって、そのままの衣装ではなくて、リンには髪留め、レンにはネックレスに電歌祭モチーフのイナヅママークをあしらっていただきました。このように、自分の作りたい映像に合うようにイラスト班の方には依頼をしていました。
自分で作ったその他の素材にはBlenderやAdobe Illustratorを使用しました。

Blenderを用いて作成したフェンス↑
制作 – 3「ようやく制作開始なのです」
構想も練って、素材も集め終わったらいよいよ映像制作開始です。うおー。絵コンテも素材もあるので、基本的にはその通りに制作を進めていきます。何も構想を練っていない映像制作に比べて作業がとてもスムーズに進みます。
ですが、準備たくさんしたんだからすぐに終わるかな?と思いきや全然終わりません。これが。絵コンテの段階でこういう演出をしたいな頭の中で想像しても、それを思い通りに出力できるとは限りません。どうやってエフェクトかけたらいいんだ…?エクスプレッション?テキストのアニメーター? …世の中にはわからないことがいっぱいです。そのような壁に当たったら、やりたいことのスキル的な問題点を分割して考えています。分割してひとつひとつ解決していって、最終的に自分の想定していた演出にこぎつける感じです。映像を編集するときは大体ブラウザのタブがとんでもないことになります。大変ですが、色々調べてピースをはめていく感覚はとても楽しいです。
制作画面はこんなかんじ↓


制作 – 4「チェックワンツー」
さて映像が完成しました!といってもこれで終わりではないです。色々とチェックすることがあります。例えば歌詞の確認だったり、出力して改めて見てみたらなんか気に入らなかったり…みたいな感じで、一通り完成しても一筋縄でいくことは少ないです。
また電歌祭で上映する状況ならではの確認要素もありまして、それが「プロジェクターで投影した際の色味問題」です。普段私たちはPCのモニターを用いて、編集をしたり、歌詞チェックをしたりしています。ですが本番ではプロジェクターで壁面に投影するため、モニターの時と全く色が違います。白飛びしやすかったりコントラストが低くなってしまったりと、プロジェクターならではの問題が生まれてきます。そこで背景映像班では、数回ほど実際に体育館に突撃してプロジェクターで映像を投影し確認して修正というプロセスを踏んでいました。
制作 – 5「満足じゃ」
色々修正して確認して、もー満足!となったら完成です。ここまで長かった…。達成感あり、疲労感あり…、HP、なし…。
余談
これに加えて班長としての業務も色々あったので大変でした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。背景映像班のお仕事は大体伝わりましたでしょうか?色々な段階を踏んで、イラストの依頼などをして協力していただき、映像が完成した時の感動は計り知れないです。楽しいー。その映像をでかでかと体育館に投影した時もたのしかった。
全員がこの手順を踏んで映像を制作しているとは限りませんが、班員全員が、ライブをより良いものにするために映像を作っていますし、自分の担当曲に対する思い入れもあると思います。ぜひライブにお越しいただく皆さまには、ライブのアゲアゲ感を全身で楽しみつつ、ちょこっと制作の裏側も思い出していただければと思います。